CosmosBlueのブログ

日々のよもやま話を徒然と

ラッチケースを分解清掃(三協アルミ玄関ドア MIWA製 POM)

ラッチとはドアの開け閉めの際に出たり引っ込んだりする部分のことです。ラッチケースとは機械的にラッチの動作を制御し、ドアハンドルの動きと連動してラッチをロックしたり解放したりするユニットです。

自宅玄関ドアのラッチ動作が鈍くなり、出たり引っ込んだりはするのですが、ドアハンドルから手を離してもラッチが室内側へ折れたままでロックされず、錠をかけてないと吹き込んだ風でドアがバタついたり、ドアハンドルをプッシュせずともドアを押すだけで開いたりする状態でした。

そこでラッチケースごとドアから引っこ抜き、ケースを分解清掃することにしました。ちなみに玄関ドアは三協アルミのプロディシリーズです。

MIWA製 POMと刻印されたラッチケースには様々な仕様があるようで、ドアに装着された状態を外から見ても交換品が特定できないという特徴があるようです。

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このラッチケースは「1XG」の下に「XJ〇〇」とプリントされています(念のため〇〇は画像から消してます)。単なる勘ですが、1XGが型番を、下の4桁がロット識別になっているのかな?と思いました。

さて、取り出したラッチケースを分解してみると、古い油脂がベタベタになり、粘着テープの裏側のような高粘度になっていました。そこにきて、ラッチの隙間から鍵穴用シリコンパウダースプレーなんかを吹いたものだから、あらゆる所に固着して動きを悪くしていました。

これらをパーツクリーナーで生まれたてのツルッつるにします。パーツクリーナーは「KUREパーツクリーナー プラスチックセーフ」を使用しました(以降の分解写真は清掃後の写真です)。

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蓋を開けたラッチケース内部

このラッチケースはネジひとつ外せば蓋を開けられます。ラッチが出たり引っ込んだりするのはラッチを押す長いバネの動作ですが、ラッチが室内側に向かって折れないようにロックしているのはクワガタの頭のような左右二本のフォークです。ドアハンドルからの圧がかかっていない通常時はロック状態になります。

写真一番上の金属バーをドアハンドルが押し下げることによって、写真中央のピンで結合された左右のフォークが開きラッチのロックを解除します。こうすることでラッチは反対方向に折れることが可能となりドアを開くことができます。

分解手順を簡単に説明していきます。まずラッチ押さえとラッチバネを外し、ラッチを一番外側に移動させます。

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ラッチ押さえとラッチバネ

次にドアハンドルに押される金属バーを取り出します。

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ハンドルに押される金属バー

そして、二本のクワガタと、ラッチを囲んでいたコの字の金具を、三部品セットで引き抜きます。クワガタは左右それぞれが支柱にハマっています。またクワガタのブレード部分がコの字金具のスリットにハマっています。これらをセットで真上にゆっくり引き上げて外します。向かって右側の支柱にはクワガタを動かすバネが入っていますが、重要な部品なので引き上げる途中でどこかに飛ばして紛失しないようにしてください(段ボール箱の中などで分解すると良いです)。また左右のクワガタを結合しているピンは、固定されず穴にはまっているだけですので引き上げ途中に落下しやすいです。くれぐれも失くさないようにしてください。

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クワガタとコの字をセットで引き抜く

分解した全パーツは下のようになります。

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ラッチケース全パーツ

ひとつひとつ丁寧にパーツクリーナーで掃除していきます。プラスチック部品が混じっているので、金属部分も含めてプラスチックセーフのみで掃除します。小さな部品やバネはスプレーの威力で吹っ飛びますので、これも段ボール箱の中で指でつかんだままパーツクリーナーを吹きかけます(自分は素手で持ってやったのでクリーナーがガンガン皮膚にかかりましたがゴム手袋した方がいいですよ)。速乾性とはいえ磨く時間程度はありますのでマイクロファイバー布や綿棒などでしつこい汚れを拭き取っていきます。

さて、汚れがすべて取れたらグリスアップしていきます。クワガタの支柱には上下で二個の樹脂リングが入りますので不乾性のシリコングリスを塗りました。

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シリコングリス

左右の支柱がグリスアップできたらラッチの下敷きになるU字樹脂プレートとラッチを取り付けて、その上からクワガタとコの字のセットを取り付けます。ここでクワガタのバネが肝になります。

向かって右側のクワガタの間にバネが入り、クワガタと一緒に支柱に通す必要があります。この際、バネの片側をコの字の背中に当てるようにして差し込みます。

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クワガタバネのセット

支柱にハマったらもう片方のバネの先をフックの下に押し込みます。

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フックの下にバネの片方を押し込む

左右のクワガタを結合する穴にピンを差します。このピンには金属しか当たりませんのでモリブデンリチウムグリスを塗りました。

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リチウムグリス

左右の支柱の一番上にも樹脂リングをハメてクワガタはOKです。

さあ、あともう一息です。続いて金属バーを入れていきます。まず下になる金属バーNo.1です。これは外した蓋側にノッチの差し込み穴があるので、まずは目分量で置いておきます。この時にクワガタの先端の丸っこい部分より外側になるよう配置します。

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金属バー No.1

次に上にくる金属バーNo.2を配置します。こちらは金属バーのノッチが入る穴が底面にあるので、そこに差し込めばすぐ仮固定されます。

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金属バー No.2

(写真上はもう入っちゃってますが)最後にラッチ押さえとラッチバネを入れます。押さえ側とコの字金具側のどちらにも丸い出っ張りがあるので、そこにバネを合わせるように入れたら動かさないでください(ここでラッチの動きをテストしたりするとバネが吹っ飛びます)。

では蓋を閉めます。蓋の裏に取り付けるU字樹脂プレートも忘れずに取り付けてから蓋をハメていきます。ここで金属バーNo.1のノッチが穴にハマるよう注意してください。うまくハマらない場合は金属バーNo.1を少しズラしながらノッチがハマる位置に調整して、蓋がパチッとしまるのを確認してください。

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金属バーNo.1がハマるよう調整して蓋を閉める


ここまできたらラッチを押して動作確認します。問題が無ければ蓋のネジを締め、ドアに取り付ければ完了です。ドアを閉める前に必ずドアハンドルを押すなり引くなりして、ラッチが室内側へ折れることを確認してから閉めてください(ここでラッチのロックが解放されない組み立てをしてるとドアが開かなくなってしまいます)。

実をいうと最初は交換品を調べるためにラッチケースを抜いたのですが、なんか見てると蓋外せそうだし、分解できそうだったので、掃除で上手くいけば延命できるなと思い分解清掃してみました。清掃だけで新築当時のキビキビしたラッチの動きが戻ってきましたよ!

同じラッチケース(かどうかは抜き出してみないと分からないけど)の動作でモヤモヤしている方の参考になればと思います。

 

※ラッチケースの分解清掃を推奨するものではありません。分解清掃過程でのパーツ紛失や破損により最悪ラッチケースが機能しなくなる場合もあることを理解した上で、あくまでも自己責任で行ってください。この記事によって被ったあらゆる損害についてブログ主は免責とさせて頂きます。