さて、今回は2回に渡ってKVKレバーハンドル型蛇口のカートリッジ交換をしていきます。まずは洗面台のKF868Gから行きます。
手順は
この手順で最も手ごわいのは2.のカバーナット取り外しです。多くの方々が固着したカバーナットに苦戦し、ナットを舐めまくり、あれこれと策を労して、快感とも言えるナット回転の歓喜を味わっているようです。逆に言えば2.を突破できれば業者に頼むのがバカバカしいくらいに簡単な工事です。
とはいえ、カバーナットを回すためにはそれなりの道具が必要で、おもちゃのような工具では固着していなくとも歯が立ちません。今回KF868Gのカバーナット取り外しには以下の工具を使用します。
まず絶対に欲しいのはKVK製のPG26というベース固定工具(写真一番上)です。これはカバーナットを回そうとする時に、ベースが一緒に回転してしまうのを防ぐためのものです。カバーナット締めの時にも使用します。滑り止めを巻いたプライヤー等で代用する人もいますが、こちらがあると本当に楽チンなので是非入手したい一品です。PG26は尼で642円、ホームセンターの水回りコーナーでも売ってる所は多いです。
そしてもう一つ必要なのがカバーナットを回す工具です。KF868Gの場合はKVK製のG22という六角形にパンチされた専用の工具を使う人が多いようです。しかし、このG22が高いんです。1本で3,000円を超えます。自分は片口めがねレンチ38mm 旭金属工業RS0038(写真下)にしました。尼で1,754円でした。
最後に当然ながら交換用カートリッジが必要です。KF868Gに適合するカートリッジはPZ110Sという型番です。尼は納期1~2か月、淀もお取り寄せだったので、即納だったコジマネットで買いました(ちょい高めで4,180円)。
では作業を開始しましょう。
まずは湯と水を止める必要があるのですが、ここで予想だにせぬ出来事が。カバーナット以前に、洗面台下の止水栓が全く回りません。マイナスドライバーはもとより、硬貨や硬貨を挟んだペンチなど、やれることは全部やってみましたが回りません。
仮にこれを力ずくで回せたとしても、固着が原因の場合はパッキンを痛めるので高確率でそこから漏水が始まる、という記事を見たことからアッサリと回すのを諦め、屋外水道メーターボックスの中にある止水栓で家全体の水を止めることにしました。
水道は水道管からの水の圧力だけで動いていますので、メーター前の止水栓を閉めればエコキュートや保温給湯器などのタンクにお湯があっても蛇口からは出てきません(今回初めて知りました)。
では、止水栓を閉めたら蛇口のレバーを上げて管の中の水を出し切ります。
件のKF868Gはこれです。厳密にはGはG1からG4までありますが、分解図を見るとカバーナットと適合カートリッジはG1からG4まで全て同じようです(我が家のこれはG1です)。
まず、レバーハンドルの頭にあるカバーの隙間にドライバなどを入れてこじ開けます。大概は自分の体に向かって吹っ飛んできますが、金属ではないので痛くありません。
キャップが外れたら中にあるネジを外します。プラスドライバだとこじりそうな感じがしたのでマイナスドライバで外すことにしました。
レバーハンドルを外してみると、中には水を湛えているのが分かるでしょうか。これはカートリッジが漏水しているのではありません。レバーに石鹸泡が残ったりした際にレバーに水をかけて流しますが、その水が先ほど外したキャップの溝を通ってカバーナットの内側に入るのです。つまりここは年中水道水で満たされている訳です。なんか緑青とカルキで白緑になっていてスゲエ嫌な予感しますね・・
では2.のカバーナット取り外し工程に行きます。PG26を蛇口のベース後ろにある穴に引っ掛けます。
次にめがねレンチをカバーナットの上からハメます。
左手でPG26の位置を維持し、右手でレンチを右側へ押していきます。つまり両腕が開いていく方向に力をかけます。
あれ!?・・・簡単に回りました・・・
清掃がてらカバーナットのネジ切りを見てみましたがキレイで何も固着していませんでした。この蛇口はもうすぐ10年目に入りますが、3年目頃に1回カートリッジを交換しています。その時はハウスメーカーの保証内だったので業者に任せました。そこで1回清掃かけているから固まらなかったのでしょうかね。CRCとか熱湯とかトンカチでガンガンとか覚悟していましたが、ふぅ、助かった・・
カートリッジを垂直に抜き取り、新しいカートリッジの底面二か所の突起をベースの二か所の穴に合わせて差し込みます。そしてカバーナットを被せて手で締まるところまで回します。
カバーナットの締め増しはPG26を反対側(左側に湾曲部がくるよう)に固定し、めがねレンチをはめて、今度は両腕を中央で合わせる方向に力をかけていきます。
カートリッジの軸にレバーハンドルヘッドの軸受けを差して、レバーの動きを確認します。問題なければ止水栓を開けて水と湯の調整を確認します(水道メーターの止水栓で止めた場合、給水管路の水位が下がることで入り込んだ空気が爆発しながら出てきますので、いきなり全開にせず水側で少しずつ開いて空気を排出してから確認するようにしてください)。
最後にレバーハンドルヘッドのネジを締め、キャップを被せれば終了です。もう数年はいじらないだろうと確信できる場合は、キャップの溝をシリコンシーラントで埋めてしまっても良いでしょう。
今回カバーナットが固着していなかったのはラッキーとしか言いようがありません。本当はそういった苦労をレポートする方が皆さんの参考になるんですよね・・すいません簡単に終わってしまって・・
次回はキッチン混合栓 KM5031JT編です。
2023年8月30日追記:
水漏れやキーキー音は全く無いのですが、「閉」が軽く、「開」が重い、という動作のぎこちなさが出てきました。開ける際には途中で一回クラッチするし、閉めが軽いのでパタンとやるとウォーターハンマーが出ます。なので、1年半しか経過していませんが再度カートリッジを交換しました。
故障じゃないので前回のカートリッジがハズレなのかは分かりませんが、新しいカートリッジは重みのあるスムースという動作感でした。交換前のような軽い高速動作が出来ないのでウォーターハンマーも起きませんし、動作途中のクラッチも解消されました。
※自分でカートリッジ交換を行う事を推奨するものではありません。自分で交換する場合はカバーナットの破損や漏水のリスクを理解した上ですべて自己責任で行ってください。この記事によって被ったあらゆる損害についてブログ主は免責とさせて頂きます。